【進路】研究者を目指しても、人生は保証されるのか?
研究職は、大変、難しい、辛い――なのに薄給?
そんな疑問のリアルを、現役の研究者が3min以内でお答えします。
1. まえがき
「研究者」で目指す人ってどのくらい居るんでしょうね?
理系離れが進んでいると良く耳にしますが、やっぱり「理系は研究者!」みたいなイメージは強いのかもしれません。文系・理系の進路を決めるとき、進学先の大学を選ぶとき、転職・就職活動のとき、子供のため――人生で一度は「研究職」を検索する機会があるかもしれない。ちなみにラッコキーワードで解析すると「研究職+スペース」の検索ランキングはこうなっています。
検索3位が「つらい」wwww
ちなみにググると、1位は「やめとけ」でした。
なんてこった。
2. 研究職ってほんとうに辛いの?
現役の研究者のぼくが検索して思ったことは「カオス(笑)」でした。すべての情報が無作為でごちゃごちゃ、かつ大学と製薬会社の検索占有率が高すぎる。ここでピンと来る人がいるかもしれません。あなたの研究職のイメージ、(情報操作で) 偏ってます。
ぼくはバイオ系(生物系)の研究者なので、その中でお話します――が、ココでいきなり落とし穴!知り合いに物理系の研究者がいますが、全然違いました(笑えん)。
- 結論①:理系の分野でぜんぜん違う。
では気を取り直して、バイオ系研究者ってどうなの――という話はまだできません。気付きました?ぼくら、今また落ちたんですよ?落とし穴に。バイオ系研究者の疑問に答えるには、さらに、この研究職を、大雑把に4種類に分けなくてはなりません。生物系(バイオ系)研究職って何がある?
① アカデミック研究職
② 医薬品系の研究職
③ 医薬部外品系の研究職
④ 化粧品の研究職
⑤ 他研究・研究関連職
* 医薬品系は「病気の治療・緩和」を目指した職種: 医薬部外品系は「病気の治療」ではない健康品などを目指した職種。ex. ファイトー!一発!やビタミン剤。
- 結論②:研究職には4種類(+α)がある
*例えるなら、教育職の、幼稚園、中学、大学、塾、英会話のよう。
3. 職種別の研究職-早見表
誤解も生みそうだけど、じゃあ、ざっくり解説するよー
① アカデミック研究職
<大器晩成、成功報酬型>
研究職つらいのイメージは大体ココ。はじめからエンドコンテンツ。なるだけなら一番簡単。契約はスポーツ選手と同じ。契約更新と給料が、実力+運次第。
【特徴】
就職1年目から年収0-1000万円まである夢のような職業。渡り鳥のように、プロジェクト終わると飛び立つ場合が多い。強制されようとされなかろうと、成果=未来なので、社畜化しがち。一発当てると②に簡単転職しやすい。①業界内のキャリアアップに失敗すると年齢制限でワンチャン詰む。40歳までには見切りが必要。実は一番コミュ力が必要。合コンですごくモテない。
② 医薬品系の研究職
<安定型>
研究職むずかしいのイメージは大体ココ。人の生死に関わるから、雇用はかなり慎重。それは替えがきかないのと同義だから、他より手厚い。
【特徴】
スタート敷居が高いから、学生時代に気を抜くと新卒採用は絶望。最近は、全研究業界からの中途採用の方がコスパいいと気づく。年収高め。研究部署をバイオベンチャーとして独立 or 買収する動きも活発。もし肌に合わなくても、営業-研究間の理解をつなぐ「学術職」や同社グループの③などに部署異動可。⑤の開発への転職も経歴的に優遇。
③ 医薬部外品系の研究職
④ 化粧品系の研究職
<通常型>
みんなにもっと知ってほしい第一弾がココ。健康は人それぞれ、何が体に合うか分からないぼくらには、多様な製品種類が必要。故に、募集も多め。薄給という人もいるが、新卒が飽和してる文系他業界より安定。
【特徴】
キャリアアップしやすい。研究業界はいい意味で転職が活発なので、新卒入社で納得いかなくても、同業種のトップ会社に後から転職しやすい。他①-⑤の職種へも流動。化粧品系は、会社間違うと、女尊男卑の餌食に。でも顧客の立場からそれは○。女性をキレイにしてあげたいキミの気持ちも凄く分かるから、内情調査が重要。または男性顧客を狙うところへ。
*転職というと悪い響きに聞こえるかもだけど、憧れのあの会社に新卒採用できなくても、転職で業界内・外のあの会社を狙いやすい。文系職と比べてバイオ系研究職は転職が活発だから、あとからでも十分挽回のチャンスあり。
⑤ 他研究・研究関連職
<隠されし者達>
みんなにもっと知ってほしい第二弾がココ!
全部入れたww
・研究業界を盛り上げるメソッド開発者たち=研究職
・早期発見⇒診断・検査薬(+技術)も大事だろ、じょうこう!=研究職
・研究職じゃなくても、研究関連の重要職は他にもいっぱいある。
ex. 開発 データ分析 CRO 治験 MR 学術 出版 etc..
【特徴】
当時のぼくは「コスパ的・確率的に、治療より、早期診断が人を救う」と診断薬で就活してました。知ってほしいのは治療だけがバイオ系研究職じゃないってこと。研究ツールの開発も研究職の一つ(支えてくれてありがとう!)。研究関連職は、他よりリーマン的。でも研究能力必須のため他リーマンより競争低い。ここも「給料低い」という人がいるが、ぼくの知る限り、キミたちは薄給ではない。介護を救ってくれ。
*メソッド開発や診断は、「コロナPCRは時間がかかって大規模検査に向かないから、新しい方法を作ろう」って、コロナ禍で静かにめちゃめちゃ頑張ってた(る)人たち。
いかがだったでしょう?
取り急ぎ、ざっくり――といった解説でしたが (^^;
研究職の実態と生態って全然Webに落ちてない。ぼくが高校生で進路に悩んでいた時、こんな研究職の解析記事がほしかった。。ちなみにさ、
ぼくは、いま、研究職で楽しいんだぜ?
コメントあったら是非聞きたいです!
更新情報、ブログ更新ネタの専攻ダイジェストなどもTwitterで発信してるよ。
ではではー。