現役の理系研究者::ぼくはPhD.KKK

フェローシップ(助成金)獲得で、国内のブラック研究室から解き放たれた生粋のアル中研究者。生命科学専攻。ゆるーくポップに分かりやすく、をモットーに「医科・生物学の話題」と「摩訶不思議な研究職ライフ」を発信します!英語力0からの留学経験に基づく「初心者向け」英語学習テクもあるよー٩( ᐛ )و

【強烈にネタバレ注意】シン・エヴァンゲリオン劇場版:||の感想と考察: 1ヶ月語の記録

前回記事 

phd-kkk.hatenablog.com

公開初日に観に行って、これを書いたわけですが..

 

あのときには言葉に出来なかったことが、言葉に出来るようになったので、改めて簡単に感想を。エンタメとしての考察はしません。それはそれで、面白いものですけど、ここでは芸術作品としての考察..

 

きっとぼくだけじゃない
シン・エヴァを観た人の胸に去来するナニカ

 

その本質と、最終的な「ぼくのエヴァンゲリオン」についてのお話です。

 

*注意*

ストーリーではなく、概念的なネタバレになるので注意⇒ハッピーエンドかバッドエンドか、みたいなレベルでのネタバレ。あと、最終フレーズのセリフ公開。他は特にありません。

 

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それから1ヶ月経って

 

結局、シン・エヴァンゲリオン劇場版:||、3回観に行ってきました。

 

1回目の僕に残ったのは、虚無、で
 (↑何もかもが、さらばしてる事実に気付く..)
2回目の僕は、素直に面白い映画だと思って

3回目で、初めて泣きました。。

 

え?
逆に?

 

僕、2回目見終わった後に、「アニメ ⇒ 旧劇場版 ⇒ 新劇場版: 序: 破: Q」と観てから、再チャレンジしたんですよね。で、気付いたんですけど。。

 

やっぱりアレ、アニメじゃねーですわ。

 

前より明確に言語化できるようになったんですけど。。

 

エヴァンゲリオンシリーズって、内容的に、いろんな登場人物がトラウマを持っていて、いろんな登場人物の環境に問題点があって、それが浮き彫りになるアニメだと思うんです。

 

そのトラウマ/問題点って言うのは間違いない「リアル」です。

 

なので、僕達の内面に、共感できるトラウマ/問題点があると、自分の中からそれが浮き彫りになって、登場人物たちの苦悩と一緒に育っていくんです。。

 

で、旧劇場版で「気持ち悪い」になる。

 

全然、そのトラウマ/問題点が解消しないままなんです。それを新劇場版: 序: 破: Qで、同じことを僕達は繰り返して..

 

シン・エヴァンゲリオン劇場版:||で「行こう」になる。
*「気持ち悪い」「行こう」は双方の最後のフレーズ

 

解消するんですよね、遂に。

だから気付くと、自分の中から深層心理、あるいは知覚していたトラウマ/問題点が浮き彫りになって、リアルとイマジナリーがごっちゃになった場所で膨れ上がって.. 最後にキレイに洗い流されるんです。

 

さらば、トラウマ/問題点

(ルビは"エヴァンゲリオン")

 

だから、3回目のシン・エヴァンゲリオン劇場版:||で泣いたのは、ストーリーじゃないんですよね。キャラに共感して泣いたわけじゃなかったです。これ、京アニヴァイオレット・エヴァーガーデン観た時も思ったんですけど..

 

元来、アニメーション自体はエンタメじゃなくて芸術なんですよね。今更それを思い出しました。

 

アニメのストーリー展開で泣いたことはあったんですけど、このエヴァで泣いたのは、アニメーションというか、映像構成というか(←特に最後の追い込みがヤバい)、その芸術性の奔流で、命が洗濯されて泣いたんだと思います

*ちなみにヴァイオレット・エヴァーガーデンは、もうただヴァイオレットちゃん泣けば、もうぼくは泣く。人は、誰かが泣いていたら悲しくなる生き物なんだって当時思いました

 

洗濯物って、きっとたぶん、汚れ落とされるのに、痛くて過酷な洗浄過程を経てるんですよね(中に入ったことないですが)。。エヴァはそれです。エヴァはアニメから洗濯機になりました。

 

お風呂じゃなくて、
エヴァは命の洗濯よ!」でした。

 

 

そういうわけで

 

 

何のアニメが面白いか?と訊ねられて、ぼくが今後「エヴァ」を紹介することはないでしょう。エンタメとしての面白さを十分に満たしつつも、ぼくは「エヴァ」を芸術作品に位置づけてしまっているので「面白い、というより、エモい」ただ感じるものだからです。

 

でも。

 

漠然と心が淀んだ時、ぼくはエヴァシリーズを観て、自分の中の問題と向き合って、半リアル/半アンリアル化して、シン・エヴァで「さよなら⇒行こう」することにします。何度でもそれをするでしょう。

 

 

そうしたらまた、

人生頑張ろうって

そう笑える気がするんです。

 

 

いい作品だったな。

ありがとう、おめでとう庵野監督。